前置き
自分語り
この記事は明日に書こうと思ったが、色々と気分が沈んでるので今書こうと決心した。
ちなみに今、真っ暗な部屋でノーパソを使ってこの記事を書いている。
前々からデスノのちゃんとした記事はノーパソで書こうと決めていたし、そのために親にノーパソをねだったのだ。
夜神月について
言わずと知れた00年代の大人気漫画『DEATH NOTE』の主人公。
・成績優秀(全国模試一位常連・東大首席入学)
・スポーツ万能(テニス全国大会で二度の優勝を果たす)
・眉目秀麗(全盛期の山Pがビジュアルモデル)
・親は警察官僚で東京都に一軒家で住めるほどのお金持ち
・家庭環境も最高
と欠点がほぼないまさしく完璧超人。
性格に関しては元々は正義感の強い好青年だったが、ノートで殺戮を重ねるたびに醜悪なものに変わっていった。
いわゆるダークヒーローであり、少年漫画の主人公としてはかなり異色であった。
夜神月と生流奏の違い
さてここからが本題だ。
私としては、この二人はかなり違う存在であると思っている。
思想の違い
これは語るまでもないと思うが、一応語ろう。
夜神月の主張は、他人の幸せになる権利を奪う悪は害虫と同じというもの。
原作やアニメの倉庫で繰り広げられる夜神月の演説を見れば一目瞭然だろう。
ちなみに下にその演説の全文を貼る。
そうだ、僕がキラだ。ならばどうする、ここで殺すか?
いいか、僕はキラ。そして、新世界の神だ。
今の世界では僕(キラ)が法であり、僕(キラ)が秩序を守っている。これは事実。もはや僕(キラ)は正義。世界の人間の希望。殺すか?それで、本当にいいのか?
キラを捕まえる。それが過去において正義だった事もあったかもしれない。しかし、今は明らかにそれは悪。世界の意識は変わったんだ。キラを捕まえるという自己満足をとるのか?
キラが現れ、6年…。戦争はなくなり、凶悪犯罪者のほとんどが死に、世界の犯罪は7割減少した………………。しかし、まだ世の中は腐っている。腐った人間が多すぎる………。ならば、なくさなければならない。
人間は幸せになる事を追求し、幸せになる権利がある。しかし、一部の腐った者の為に、不意に いとも簡単にそれが途絶える。…事故じゃない。腐った人間が生きている事による必然。
僕がノートを手にした時、いや、その前から…、世の中は堕ちる所まで堕ち、人間は腐る所まで腐っていった。突き詰めれば、人が幸せになるのに害のある者か、ない者か…、生きるに値する者か、しない者か…。悪は悪しか産まない。意地の悪い人間が悪事を行い、世にはびこるならば、弱い人間はそれを習い、自分も腐っていき、いつかはそれが正しいと自分を正当化する。悪は…腐った者は…なくすしかない。
始めから救いのない様な悪には死しかないだろう。しかし、腐った人間=死ではない。よって、こういう世の中を創ってきた悪の根源からメスを入れていく。
悪い人間は裁かれる………。人に害を与える人間も裁かれる。それだけで人間の意識は変わってくる。人として正しい生き方に気付き始める。
幸せになる権利、それは皆に平等にある。いや、なくてはならない。それは、他の人間を攻撃したり、陥れたり、ましてや殺す事で得るものではない。互いの幸せを邪魔することなく、互いの権利を尊重し、個々の幸せを求めていくのが人間同士のあるべき姿。
世の中が変わってくれば人間も変わってくる………………………。優しくなれる………。
それでも変わらず悪事をはたらく者は、人間失格。
本来、人間は地球上で一番優れた生物として進化をしていかなければならない。…だが、退化していたんだ…。
腐った世の中…政治…司法…教育…世の中を正していける者がいたか?しかし、誰かがやらなければならない。
ノートを手にした時思った。僕がやるしかない。いや…僕にしかできない!人を殺すのが犯罪なんて事はわかっている。しかし、もうそれでしか正せない。いつかそれは認められ、正義の行いとなる。
僕がキラとしてやるしかない。これは僕に与えられた使命。自分はこの腐った世の中を革め、真の平和・理想の世界を創生する為、選ばれた人間。
このノートで…他の者にできたか?ここまでやれたか?この先できるか?ノートひとつで世界を…人間を正しい方向へ導けるか? 私利私欲の為にしか使えない、自分の為にしか使えない、馬鹿な器の小さな人間しかいないじゃないか!
僕は自分の利益など一度も考えた事はない!弱者に自分の思想を植えつけ、金儲けをしている悪党とは全く違う!そういう悪党こそ世の中の敵なんだ!
そうさ、僕にしかできない…新世界を創れるのは……………その頂点に立ち、常に正しく導けるのは僕しかいない…。
考えろ。また腐った世の中に戻していいのか? 変わりつつある人々の意識を戻していいのか?おまえにだってわかっているはずだ。人間には明らかに死んだ方がいい人間がいる。害虫は殺せるのに、何故害のある人間を殺すのを悪とする?
ここでキラを潰していいのか? それが本当に世の為か? ここで僕(キラ)を捕まえてどうなる?おまえが嬉しいだけじゃないのか? それはおまえのエゴでしかないんじゃないか?
Lの仇というならば、それこそ最も愚かな行為だ。
おまえが今、目の前にしているのはキラだが、新世界の神だ。
それに対して生流奏の主張は貧困層やブサイクは消えろという乱暴なものである。
彼の主張と似たようなことを言っているのはメンタリストDaiGoだろうか。
夜神月と違って自分のことしか考えていないのがよくわかるだろう。
少なくとも夜神月は貧困層やブサイクを恨んではいないし、単純に他人の幸せを奪う悪人が許せないだけなのだ。
それに対し、生流奏の思想は行き過ぎと言っても過言ではない。
そう、私が言いたいのは生流奏の思想は夜神月より過激で醜悪ということだ。
そして、夜神月の思想はプラチナエンドの主人公である架橋明日に似ている。
夜神月の本来の思想を極端にした存在が架橋明日なのだろう。
憎む相手の違い
夜神月が主に憎んでいたのは他人の幸せを奪う悪人・犯罪者で、生流奏が主に憎んでたのは貧困層・ブサイクだ。
私は主に生育環境に原因があると見た。
夜神月は正義感が強い警察官僚の夜神総一郎の元で育ち、生流奏はおそらく歪んだ両親のもとで育ったと見ることが出来る。
そしてここから導き出せる結論は、夜神月の方が正義感が強いということ。
逆に言えば生流奏は正義には興味がなく、ヨツバ編の夜神月に似ている架橋明日に対して強い嫌悪感を向けていた。
そしてもう一つ言えるのは、生流奏は相当なエゴイストということ。
夜神月は公式で家族愛・人間への愛・世界への愛情がある博愛主義者と言われていて、そこが生流奏と対になっていると私は考える。
元々の性格の違い
夜神月は、ヨツバ編の性格が本来の性格なのは原作者の口から語られている(13巻参照)。
それに、音原田とシブタクを殺した後に彼は5日で4kg痩せたり、路上で吐きそうになったり、布団にくるまって絶望した。
つまり何が言いたいかというと、夜神月の異常性というものは後天的なものが大きく、彼はソシオパスであるということだ。
それに対して生流奏は最初から殺人に対しての抵抗感が無い。
それに、自殺しようとした原因が明かされている回想でも妹・怜愛に対しての偏愛を見せたり、あえて救急車を呼ばなかったりと、かなり異常者めいていた。
ヨツバ編の夜神月のようないい子でも何でもない、サイコパスなのだ。
環境の違い
環境というか、夜神月は警察官僚の息子で生流奏は財閥御曹司であるという違いだ。
生流奏の方が立場的には上である。
これは下の話にもつながってくる。
夜神月と生流奏の共通点
まぁ、あちこちで生流奏は夜神月のようだなどと言われているので共通点もある。
それにガモウひろしは『メトロポリマンのモデルは夜神月』とインタビューで言っていたらしいので、二人の共通点をまとめよう。
完璧超人のイケメンである
夜神月、生流奏はどちらとも
・全国模試一位
・スポーツ万能(主にテニスが得意)
・眉目秀麗
・裕福な家で育った
と、このように高スペックである。
妹がいる
夜神月には夜神粧裕、生流奏には生流怜愛という妹が居てどちらも中学生である。
そして二人とも兄に数学の教科書を突き付けながら勉強を教えてもらおうとするシーンがある。
ただ、夜神月は夜神粧裕に対してそこまで執着はしていない。
確かに13巻の脳内新世界では夜神粧裕が頂点のすぐ下だったが、生流奏ほどではない。
生流奏の異常なシスコンっぷりはアニメ13話を見ていただければ分かることだと思うので当ブログでは省略させてもらう。
歪んでいる、妹は正常
夜神月も生流奏も歪んでいる。
夜神月は公式で『やはりどこか歪んでいる』と言われており、生流奏が歪んでいるのは本編を見ればわかることだろう。
主に夜神月は正義が歪んでおり、生流奏は美しさに関する価値観が歪んでいる。
これも環境の違いだろう。
そして二人が歪んでいるのは誰にも負けなかったからだと私は考える。
頂点に君臨し続け、挫折を知らないからかだんだん傲慢になってきたものと思われる。
そして二人とも、妹はまともなのである。
それは何故かというと、ガモウひろしが妹を善性の象徴として描いているからだろう。
……というのはメタ読みが過ぎるな。
まぁ、妹の方はそういう性格だからなんだろう。
上流階級にいる
先ほども話したが、夜神月は警察官僚の息子で、生流奏は財閥御曹司である。
つまり二人とも裕福な家で生まれた裕福な子供である。
似たような女の手下がいる
夜神月には弥海砂、生流奏には山田美々々という女の手下がいる。
どちらもツインテールかそれに似た髪型をしており、明るく無邪気なモデル(モデル経験あり)。
どちらも最後は悲惨な末路を迎えるところも共通している。
しかもどちらも殺人に対する抵抗がない。
立ち位置が似ている
これがこの二人が同一視されやすい一番の理由ではなかろうか。
夜神月は主人公でありながら殺戮を重ね、Lや警察に追われている犯罪者である。
また、生流奏も異常者として架橋明日らと対立している。
この二人は共に悪役として描かれており、最期は仲間やお供の人外に裏切られて凄惨な死にざまを見せる。
総合
総合して言うと、二人は似て非なる存在である。
夜神月の方が善良かつ正義感が強く、生流奏は私利私欲で動くデスノの火口のような存在である。
だから生流奏は欲望の天使・メイザに選ばれたのだろうが。
私としてはこの二人は中身は別人であるということを強く言いたい。
この二人は確かに外面だけは似ていよう。
だが、中身は散々言ったように別人であって似てすらいない。