最期の審判
それは僕の運命が決まる日
僕に敵う者なんて居なくなった
唯一の宿敵は死して敗北した
周りを見れば殺風景な新世界
ビルの頂上で生き血を啜る
ワイングラスを傾ければ
それだけで世界が傾くように思えるが
僕の世界は盤石で美しいから大丈夫だ
誰も僕には敵わない
アイツも結局は僕に敗れた
あはは、誰も居ないのか?
……ふふ 次はお前らか、面白い
さあ僕の掌の中で踊ってくれよ
主人と従者の輪舞曲
奏でる音色は新の音色
遊び弄ばれ僕の居場所はどこにある?
天上の神に逆らう愚か者は……
僕の視界が明滅する
どうやら弄ばれていたのは僕の方だった
追い詰められてはしょうがない
そうだ、僕が神だ
言っても分からぬ馬鹿に聞かせる子守唄は無い
さっさと死んでしまえ!
…いつの間にか始まっていた最後の戯曲
死神に踊らされて最期を飾る
僕の死が確約された
死の階段を一歩一歩登った先にあるのは
…虚無だった