薄ら寒いな
人間の皮を被った虚無が
跋扈する世界は
そいつらは人間じゃない
欲を抑え、自意識すら抑え込んだ
抑圧された化け物
人間と呼ぶには悍ましい
空虚な物体達
薄気味悪い空気
灰色を纏った街々
曇り空には太陽すら見えず
人類の心に影を落とした
これがお前らの望んだ世界か?
声に抑揚もない
ただ恐怖の規律に生きる者ども
嗚呼 死者の泣き声が聞こえて来る
すぐそばには裁きが居て
君の悪行を物言わずに視ている
気味が悪くないかこんな世界
気味が悪いだろこんな人間
気持ち悪いだろ
一人の人間が紡ぐ“新世界”は
呪われた旋律が紡ぐ
不安定なディストピア
人々は下を向きながら
裁きを礼賛する呪詛を吐き散らす
嗚呼 黒い霧が全てを支配する狂気の箱庭が──