ここに居るみんなは“願望”なんだ
私は膝から崩れ落ちた
全ては私が作った人形劇で
本物のキャラクターは
今も元の世界で生活してる
私の意志の元で生まれたキャラクターに
価値はなく
私がそれを自覚した瞬間に
触れられなくなった
実体のなくなったホログラム
私の事は誰も認識してない
全て私の想像で
だから私の思い通りの反応しか出来ないんだって
実体があるのは私の友人達だけ
あとはみんな虚像、なんだ…
涙が溢れた
「こんなの嘘よ!」
「ねぇ、嘘だって言って!」
「誰か!」
「こんなの悪い夢よね!?」
「ねぇってば! 私が見てる悪い夢、なんだよね…?」
泣きながら言葉を紡いでいく
僅かな希望に縋って
「私が起きたら」
「あー、悲しい気分になった」
「って言って」
「それで私は……」
「私は私に戻るんだよね…?」
彼は私に対して憐みの眼差しを向ける
私は現実を受け入れられないんだ
それを受け入れなきゃいけないんだ
私は甘えてた
人形だった彼ら彼女らは
元の世界に居て
私が話しかけていたのは
全て私の妄想で……
起きたら全てが元通りになってた
嬉しかったけど
もしこれも私の願望だったら…?
そう考えもしたけれど
私は涙を拭って
力一杯飛び出した