血をつけて
何食わぬ顔で
一般社会に潜む
血生臭さを誤魔化せるのか?
そんな疑問はとうに尽きた
汚れ仕事をして
それが世の為なんだって
自分を偽って
ここまで頑張ってきた
“ねぇ 誰か僕を褒めてよ”
お願いだから…
僕は許されない殺人鬼
そしてみんなの救世主
嗚呼 手を血に染めて
許されぬ事なんだって
僕が一番分かってるよ
一般人に紛れ込んだ“怪異”さ
どうでもいいけどさ
血の匂いって落ちないんだよ
あなたを嗅ぎつけるまで
そう時間は掛からなかったみたい
“見ぃつけた”
あなたは一人じゃないよ
私が居るじゃない
今日からあなたと私は共犯者
だから 『彼女になってください』
愛に生きる事って素敵じゃない?
恋心があれば
どんなえげつない事もできるよ
手を血で染める行為なんて
別に怖くもなんともないから
そう “貴方の為だから…”
神が現れ
世界は良くなり
みんなが僕を褒め称えるようになった
なのになんだ?
この胸にぽっかり開いた穴は
どうしてくれる
血生臭いヒーロー
新秩序を打ち立てたヒーロー
だけどそんな奴も追い詰められたら
ただの犯罪者なんだって
審判は冷酷に告げる
口任せの言い訳で場を凍り付かせる
けどそれも虚しく
死神は“笑った”