まるでてるてる坊主みたいだったね
夢見て会社に入ったのに
夜遅くまで残業
上司の怒声が響く
同僚の陰口
部下の尻拭い
そんなんで疲れちゃった
家に帰れば一人
誰も迎えには来てくれない
寂しい部屋でコンビニ飯
咀嚼音だけが部屋に響く
慰めてくれる人は誰も居ない
何もする暇もなく寝る
そして目覚ましが鳴る前に起きて
ネクタイ締めて
スーツ着て
革靴履いて
仕事奴隷の完成さ
電車の音が鳴れば 踏み出してしまいそうで
満員電車の群衆に揉まれ
便意や尿意を我慢し
会社に行っては疎まれ
書類の山に頭を抱える
残業も多くなって
部屋の明かりも消えて
時計は夜半を回ってた
“なんで自分ばっかり…”
身体に悪い栄養ドリンク流し込んで
眠気を叩いたら
目の下にある隈とか
締め付けるような頭痛とか
瞼の痙攣とか
口の渇きとか
目眩 自律神経の乱れ 気付かないまま
やっとこれで逝ける
密林で買ってきた縄
踏み台を蹴って
異臭が漂って
第一発見者はこう言った
“まるでてるてる坊主みたいだね”