“The greatest politician in the world”
──彼はそう呼ばれていた
これは、そんな彼に捧げるRequiem
現実感の消失
夢だと信じたい
それはみんな同じ
彼は日本の『心臓』だった
いや 世界の『心臓』だった
下手すれば皇帝より慕われてたんじゃないか?
なのに“アイツ”は──
平和な日本はもう終わりだ
治安も悪化し
ディストピアが始まる
唯一の希望は絶たれた
絶対に許してはならない
絶対に忘れてはいけない
訃報なんて信じない
そう思ってても
日本人は顔には出さない
みんな
いつも通りの
日常を
平然とした顔で
送っている
穴の空いた虚無
身内でも無いのに
何だこの感情は
確かに彼を快く思わない人達も多かった
けれど彼は善人だったのに
撃たれ
守れず
後悔する
何故あのような人が
あのような目に遭う
考えられない
食べられない
眠れない
性欲も失せた
生きていると思ってたのに
必死に無事である事を願っていたのに
老衰で死ぬのかと思ってたのに
もう少し“生きていて欲しかった”のに
あっけない
人の命とはこんなにも──
光はもう二度とやってこない
結局悪が勝つ
だってここは
フィクションじゃないんだから
夢見てるようで
感覚が空中浮遊して
涙すら出ない
大きな爪痕を残していった
歴史に残るレベルの爪痕を──
もう一度返り咲いて欲しかった
もしも 卑劣な殺意を止められてたのなら
でもそんな未来はない
過去に戻るマシンも無い
だってこれは
──現実だから
ご冥福をお祈りいたします
天国で安らかに眠ってください
貴方の朗らかな笑顔に
その清らかな善良さに
沢山の人達が救われました……